新型コロナウイルスで起きた動物病院の変化
こんにちは、放浪獣医師のハチです。
新型コロナウイルスが発生して生活にいろいろと制限がかけられて早2年近くがたちました。
幸いにもハチ自身は新型コロナウイルスに感染することはなく過ごせましたが、身近での感染者も何人か出てしまいました。
新型コロナ関連で休診をされていた動物病院もあり、ご自身だけでなく大切なご家族動物たちの心配も多かったのではないでしょうか?
ハチが勤める動物病院ではより徹底した消毒や衛生管理とスタッフの健康管理のため診療時間の一部短縮を実施しています。
設備的には予約システムや呼び出しベルを使った待合室の待機時間の短縮やビニールカーテン、一部ウイルスにも効果があるとされている空気清浄機を数台導入、飼い主さんたちが使用される消毒液の複数個所設置するなど出費もかさんだようです。
出費は増えるけれど収入も減るといった状況で院長も頭を悩ませており一時は動物病院を閉院しようか、というところまで追いつめられていたようです。
なんとか新型コロナウイルス5波も乗り越え少し精神的にも落ち着いてきた今日この頃です。
世間では働き方の変化によりリモートワークも増えてきていますが、動物病院業界、特に地域に根差したハチが勤めるような動物病院ではリモートワークは現実的に無理です。
人の医療ではオンライン診察も増えてきていますが、動物病院業界ではオンライン診察はまだグレーゾーンな扱いです。できてもオンライン相談です。診察する動物は自分の症状を話してはくれませんからね。
動物の診察は飼い主さんからの症状の情報からだけでなく、より多くのことを動物に見て触って嗅いで聞いて五感(四感)をフル稼働して収集しています。
なので獣医師ハチ個人としては動物病院業界ではオンライン診察は実質無理なのではないかと感じています。できてもせいぜいが今まで治療していた動物たちのいつもの内服を処方するくらいなんじゃないかと考えています。
テクノロジーの発展により遠隔でも五感を届けてくれるような技術の発展を期待しています。
新型コロナウイルスにより制限されたことは多けれど…。
書いていて少し憂鬱な気分になってきましたが良いこともありました。
それが今回の本題になりますが、オンラインセミナーが増えてきたことです。
今までも録画によるセミナーは一部ありましたが一気にその数が増えましたし、リアルタイムでのセミナーもかなり増えてきております。
正直増えすぎてしまってみたいセミナーが多すぎてスケジュール管理が難しいくらいです。
オンラインセミナーのいいところは
- 新型コロナウイルスに対する感染対策を気にしなくていい
- 今まで遠方で参加しにくかったセミナーにも参加できる
- 2と近いですが診察時間を犠牲にしなくても参加できる機会が増えた
- 後追いで録画配信をしてくれるので何度も確認でき、より身につく
- 参加するための勤務調整など根回しが必要ない
逆に悪いところを上げるとすれば
- 家での視聴では集中力が維持しにくい
- 我が家の場合子供がまだ幼いため視聴するのが子供たちが寝静まった深夜になりがち
- 大きめのセミナーですと薬品や検査機器メーカーなどが集まり新製品の展示会が行われることもあるんですがそれがない(セミナー間にCMのようなものはあるが)
- 見たいセミナーが多すぎる(うれしい悲鳴)
あげてみたらメリットデメリットが数の上では近いですが、時間と距離が制限されないメリットはかなり大きいとハチ自身は感じています。
今までは半年に1回程度参加できればいいかな程度だったセミナーに月に4,5回は参加できています。
また、参加する際には勤め先の動物病院に休みを取る許可や他の獣医師との出勤交代等の調整、患者さんの引継ぎを行わなければいけなかったですがほとんど必要なくなりました。
参加するまでの根回しが必要なくなったことは精神的にはかなり大きいですね。
飼い主さんが参加できるセミナーもありますよ
セミナーは獣医師や看護師だけのものではありません。
飼い主さんも参加できるセミナーもありますのでその一つをご紹介します。
日本獣医学臨床獣医学フォーラム(以下JBVP)が行っている年次大会です。
このなかの市民プログラムは登録は必要ですが誰でも無料で参加できるのでご興味があればぜひ参加してみてください。
オンライン日本臨床獣医学フォーラム 2021(https://www.jbvp.org/2021/)にアクセスしていただき一般で参加登録していただくと視聴できます。
今現在第2期の配信中で視聴期間は2021.12.1~2022.1.10までになってます。
ハチがお勧めする市民プログラムは
- よくある問題行動の特徴と対処法
- 間違いやすいデンタルケアー無麻酔での歯石除去はよいか?ー
- 猫にとって快適なトイレ
の3本です。某海の家族にちなんで3本に絞ってみましたが、他のプログラムも興味深いのでぜひご視聴ください。
ちなみに獣医学生はかなりお安い3,000円で獣医師や看護師が参加する全プログラムを視聴できるので学生さんにもお勧めです。というよりも獣医国家資格を取った後の方が勉強することが多いことを目の当たりにしてほしい(;^ω^)
まとめ
今獣医師にとって場所や時間にとらわれずにスキルアップできる環境が整ってきています。
ぜひこの機会に底力をつけ、知識と技術で今この時の荒波を乗り切ろうと心新たにした放浪獣医師ハチでした。
また他の機会でも飼い主さんや獣医を志す方々、獣医学生、動物病院勤務の私たちが参加できるセミナーを紹介していけたらと考えています。
皆さんで動物たちとのよりよい生活のために知識研鑽を行っていきましょう!
放浪獣医師のハチでした。
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